君と僕と幼女(Ⅱ)
 
犯罪者になるつもりは毛頭ないというのだ。ベーシストよ、変態であれ!
 


長文になってしまった!我が部屋のど真ん中に大黒柱の如く高々とそびえ立つ掃除機

部屋が汚くなってきた。

どうも鳩屋です。

部屋を掃除しようと持ってきた掃除機、しかし掃除機をかける前にまず服をしまわねばならない。
だが結局服はしまわないので、掃除機はかけられない。だから部屋の真ん中に居座っている。
掃除機であるけども、もはや部屋をより散らかしてしまっている一つの要因でしかない。まったくしょうがないやつだ。
しかし先日この掃除機を役に立てた。我が家に古くより伝わりしアコギ、これの内部を何十年ぶりに掃除したのだ。蜘蛛の巣だか埃の巣だかわからないが、兎も角糸状に連なる者共を掃除機の体内へと吸引する。
奥の方に残党がいる模様だが、火炎放射を浴びせるわけにもいかない。なぜなら奴さんが住家は木だから、きっと全焼してしまうに違いない。
これが残党狩りであるなら水攻めも考えうる手段の一つかも知れない。しかしこと楽器は乾燥しすぎても、その逆もいけないという。なんとも贅沢な、というよりは大層な身分なのである。
なにはともあれ、楽器様を痛めないで、しかも内部にいる残党を平伏させるには掃除機がもっとも適しているのだ。しかし我が家のそれは、洞穴に突っ込むにはあまりにも首が短い。奥には届かないのである。吸引だから、もしかしたらしがみ付く力の弱い残党は腹の中におさまったかもしれない。しかし何分奴らは糸状をなして居る。長年住み続けた証とでも言わんばかりに、その絆でしっかと結ばれているのである。
だからと言って手を突っ込んでは彼奴らに咬まれるかも知れん。それは怖い。それは怖いから、今回は見逃してやることにした。感謝してほしい。

それはそうと、このギター、実に33年前のものということだ。33年の時を経て、親から子に受け継がれる。親が高校入学時に買ったものだそうだから、時期的にも同じようなものである。
こうして見ると、ギターとしても悪い気はしないのではないだろうか。33年前なら、1976年。うーん、ヴィンテージギターの仲間、か。
一度弦を新品に張れば、今だに心地良い音を出す。こうやって長生きする物には愛着が湧くというものだ。と言ってもこのギターの人生のほうが格段に長いわけであるから、ギターが愛着を持つのかもしれない。そうなれば音を出すのはギターだが、弾くのは僕ではない。僕は弾かされるのである。ただし、その心配はあと77年ほど年を食わないとなさそうだ。

昔から日本には物を大切にする習慣というものが根付いていた。「勿体ない」という言葉自体それのあらわれである。(現在は廃れているが)この100年間には、特に大きな戦争やらなにやらが多かったから、今ではもう100年以上歳を経た日常生活品というのは少ない。それに加えて、現在は大量生産だ。昔のように職人が一つ一つ手作りするような食器だとかは特別な場合を除いてない。大量生産であるから、物は安くなり、したがって壊しても安く手に入る。だから物を大切にしない。愛着もわかない。
しかしプラスティックなどというものは、陶器と違って落としてもちょっとやそっとじゃ割れない。こうなればもはやあらゆる品物は常に店頭に並び、いつでも買えるのであるから、必要なくたって買える。そうなれば益々物を大切にしない。本末転倒である。

それと違って、ギターやバイオリンなどの楽器は比較的長寿である気がする。エレキギターは誕生からまだ100年経過していないから、たとえば58年製のギブソンが馬鹿値で売られていたりする。たかが50年前の代物、これがギターじゃなければ、50年歳を重ねて出来る価値など高が知れている。これはギターは歳によるものというよりは、その年に作られたものだから価値があるのだ。その年の木材、材料、パーツ、塗装・・・そういった物にこそ価値があるのである。まとめて見れば、そのギターということになるけども。

さて、物は100年経ると神格になるという。これを付喪神という。なぜか和の物にしか似合わない気がするが、付喪神という考え方は面白い。日本には八百万の神がいるとされるから、付喪神はどうなんだろうか?一つで一柱?その辺はいいか。

まあともかく、こうして親の代から子に伝わるものは現代じゃ数少ない。現在33歳のギター氏、彼女はこれからも孫へと継がれるのか、それとも人間のように短い寿命を持つのか。
個人的には付喪神が付いてほしいとは思う。しかし77年後、僕は生きていると思わない。子は、或いは生きているだろう。孫は生きているだろう。だから彼女の運命は子に懸かっているのかもしれない。

ではまた。
おやすみなさいませ。



2009年3月25日(水)01:13 | トラックバック(0) | コメント(0) | 日常 | 管理

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