「晴れ」の対義語は、雨ではなく、「穢れ」である。 |
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| 「晴れ」というのは、快晴を意味しない。もっとも、これは現代に置いては間違いだけれど。
単純に雨が止んで、雲が白くなったのが晴れではない。 正しい使われ方は、好への転機をあらわす。
晴れの対義語はなんだろうか。それは穢れだ。穢れはつまり、死を意味する。 では晴れは生か。それは違う。ケガレというのはつまり、気の枯れと言われている。神道にとっては死は穢れそのものであり、忌むべきモノ。 だから日本人は死を恐怖ではなく、穢いもの、いわゆる「えんがちょ」なものとして扱う。
日本にも昔、部落差別があった。一説によれば今でも脈々と続いているらしいけれど、それはここでは置いておく。
現在のゆとり教育ではどうか知らないが、小学校で「士農工商」は習ったかと思う。ではその下にも、身分があったことも習っただろうか。 士農工商エタヒニン。エタヒニンは変換できないし、日本における少ないタブーの一つである。
ヒニンは、非人、つまり人ならざる者。 エタは、穢多、つまり穢れ多き者。
エタ村は死者を扱うことを生業としていた人が住んでいた村だった。 つまり、死者を直接さわること。土葬、火葬など。 彼らはそれでも差別された。日本人はとくに穢れを嫌うから。今でもその地域はあるというが、検索しても多分ヒットしないだろう。
と、そんなことは今はいい。
先のは直接的な意味での穢れだけれど、もっと別な概念の穢れが、冒頭に述べたように気枯れである。 ここでは区別して気枯れと書くが、本来はケガレはケであるから正しくない。
ケの概念を知ることは、ここに書く文章だけでは理解し得ないから割愛することにする。
とまあそんな具合で、最近は駄目人間への道が少しずつ太くなっているのが分かる。 幾重にも広がる路地のうち、僕はちょっとした上り坂があるからという理由で別の道を選択する。 その先の路地では、下り坂があるからという理由で別の道を選ぶ。
ところで知っているだろうか。人間の筋肉は坂を上るほうには適しているが、下るほうには適していない。 坂を上るとき、人間は主に太腿に負担がかかると思う。もちろん平坦な道に比べてだ。 逆に、坂を下るとき、一歩踏むとその体重を支えるのに色々な部分の筋肉を使う。
もちろん、適しているからと言って楽とはいわない。なぜなら坂を上るということは位置エネルギーを増加させていることだから、運動エネルギーを消費する。下りは位置エネルギーを消費するから、運動エネルギーは増加する。でも坂をしたまで一気に落ちるのは嫌だから、増加した運動エネルギーを歩幅ごとに受け止める。
人が坂を登るほうに適している理由はこれだけじゃないが、これも割愛。
つまり、上るよりも、下るよりも、一番楽なのは平坦な道である。 僕は選んで平坦な道を往く。それなのに、平坦な道を嫌がる。しかしだからといってわざわざ選ぶ位なのだから上り坂は嫌だし、下り坂も嫌だ。
時間というモノ、特に締め切りというモノがある限り、どの道を選んでも行きつく先は同じだ。
結果として、期限までに提出しなければならない課題は、最終的に提出しなければならない。 もちろん、提出しないことも選択のうちだ。
上り坂を登っても、下り坂を下っても、行きつく関所は同じであるから、平坦な道でも同じ仕事量はしなければならない。
僕は上り坂か、下り坂か、平坦な道か、3つのどれかを選ばなければならない訳でもない。言い換えると、3つの選択肢以外にも、選択肢はある。道は無いかもしれないけれど。
そして、僕には道が見えていない。いや、見えている。しかし、本来見えないはずの道も見えてしまう。しかしそれは単純な所謂一時の気の迷いというモノであって、「もしこうできたら」という希望に過ぎない。 だから、4つ目の道を行くことは決してない。外部的な要因がなければ。 というのは、例えば交通事故に遭えば道はそこで終了。自分の進みたい道も消滅。これは選択の余地が無い。
このように、自分と関係ないところで自分が死ぬこともありうるわけだ。これを不幸と呼ぶのかしらないけれど。
大仰に書いてはみたものの、今北産業に翻訳を依頼するとこうなる。
大学生が やる気が消滅して 駄目人間への道がくぱぁ
ところで、晴れは動詞でいいのだろうか?動名詞?曇りも動名詞なら、曇るは動詞。晴れるも動詞。 雨は名詞。雪も雹も霧もそうだ。しかし「晴れ」は好転を示すものだから、晴れというのは瞬間だ。
天気に晴れは存在しない。なぜなら、「晴れ」た瞬間のあとに、別の名前に変わるからだ。本来ならば。
雨が上がれば晴れともいうし、曇りが青空に変われば晴れともいう。
さてこのあたりはもう民俗学なので、割愛することにする。
明日も天気は悪いらしい。明後日は知らない。どちらにせよ24時間が延びるということにはならないのだから、関係ない。
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2009年5月12日(火)23:35 | トラックバック(0) | コメント(0) | 日常 | 管理
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