君と僕と幼女(Ⅱ)
 
犯罪者になるつもりは毛頭ないというのだ。ベーシストよ、変態であれ!
 


ときには暗い話でも①

頭などを強く打ち、間もなく死亡した。



僕は人の名前を覚えるのが苦手で、その記憶を把持しておくことも苦手だ。
たったの数年会っていない同じクラスの友達(だった)人の名前を忘れていることの方が多く、昔話に花を咲かせていて誰かの名前が出ても、頭に疑問符を浮かべていることが多い。

彼とは親密でなければ友達といっても怪しいくらいの間柄だったが、3年ほど前の夏、海に行って一緒に遊んだ覚えがある。

一度として僕と同じクラスにはならなかった彼は運動が大得意で、小学生のころには英雄のようだった。



死亡した。


死。


なんて縁遠い言葉だろう。



何かの冗談だろうと思い、その話を聞いてから数日後、ふと彼の名前で検索してみた。
僕としては彼のフルネームが浮かぶように出てきたことにも驚いたが、検索結果は無情にも。
普段テレビや新聞でみる文面で、淡々と彼が死んだことを告げていた記事は、聞いた話と同じだった。


話を聞いた当初は、彼はやんちゃだから、単独だったのだろうとも思った。
しかしそうではなく。
仕事中の車の助手席に、大型トラックが衝突したのだという。



即死だった。



仲が良いわけでもないのに。
多少、あるいはそれ以下の顔見知りだっただけなのに。

どうしてだろうか。


どうして。




僕に出来ることは、何一つない。ただの一つも。
何も出来ないのに、考える。
考えても、何もできない。


彼は、死んだ。



死。



なんて、縁遠い言葉だろう。

僕に出来ることは、何一つ有りはしない。



2010年1月6日(水)16:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | 日常 | 管理

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